旅の途中４ UP

今度こそ完結ー。続きなんだかおまけなんだかになってるけど、一応続きで。
下はおまけ用に書いてたんだけど、本文の終わり方にあまりにも似合わないのでボツったものです。

　ケリーとは、連れ立ってはいるが連れではない。
　目的地が同じというわけではないし（そもそも彼に目的地があるのかどうかすら謎だ）、連れがいなくては身も守れないほど弱くもない（というかはっきり強い）。
　目的地のあるアスターと連れ立っているのは、だから彼の気紛れに過ぎなくて。
　別行動を取るとき、アスターはいつも少しだけ不安だ。
　別れも告げずに消えてしまったりはしないだろうが、人と人とは道を一本取り違えただけでも永遠に別れてしまえるのだ。世界は広い。
　そうして、互いの居場所を完全に見失ってしまったら、彼はもうアスターを探さないだろうと思う。お互い様だが。
　だから、街道を背後から追い抜いていった幌馬車の荷台に、ひらひら手を振る見慣れた顔が乗っかっているのを見たときは、やっぱり少しだけほっとした。
　意地でも口には出さないが。