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ちょっと読みにくいですゴメンナサイ。
ケリーとリィとシェラとレティという、妙なメンバーでお茶会。
「いいよなぁ、ケリーは」
「――は!?」
「おれにもそんなガタイがあれば、女に間違われたり馬鹿な野郎を撃退したり、そんな面倒な事やらずにすむのに……」
「リィのやつ、どうしたんだ。何かあったのか?」
「それが先日、他校の男子生徒に告白されたらしいんです」
「……女に間違われて、か?」
「ええ。――襲ってくるような相手なら対処のしようもあるのですが、本気の告白となるとさすがに……」
「ああ……そりゃあ、なあ……」
「誤解だって事は言ったそうなんですが、逆に謝られてしまったようで……」
「…………ま、まあほら、おまえは一応まだ十三だからな。そのうち間違っても女には見えなくなるって」
「シェラは十九まで女だったぞ? あの調子ならまだまだいけたよな?」
「――っ! 変な言い方しないでください! あれは意識して女に見せていたんです!」
「でも女に見えてたんじゃないか。間違っても見えなくなるとは言い切れないだろう」
「それは、でも……」
「いいなぁ、ケリー……」
「ずいぶん絡むな?」
「…………バレンタインデーが近いんです。このところずっと不機嫌で」
「……ああ」
「くっそう、なんだってこんなイベントがあるんだ! 街中甘ったるい匂いでいっぱいだぞ。学校でまで甘い匂いさせてる奴がいるんだ。もう吐きそうだ……」
「ん! んーんぅ!」
「レティ、話すなら飲み込んでから話せ」
「ん。――それそれ、言おうと思ってたんだ。王妃さん、あんた対策立てといた方がいいぜ」
「対策? 何のだ?」
「だから、バレンタインデーのだよ」
「――――?」
「ほっといたら目の前にチョコレートの山作られるって、絶対」
「やな事言うなよ。――大丈夫だろう。女の子に好意を持たれるような事はしてないからな」
「っかー! 自分を知らないってのは怖いねぇ。いいかい、王妃さん。バレンタインってのは別に、愛の告白ターイムじゃねぇんだよ」
「おれが聞いたのと違うぞ」
「まあな。最初はそうだったらしいんだが、聞いたところによると最近は義理チョコってもんが幅を利かせてるらしい」
「なんだそりゃ」
「世話になった相手とか、ちょっといいかなって思ってる相手とかに気軽に渡すんだそうだ。別に本当の本気じゃなくてもいいらしい。となると、だ――」
「それは……」
「確かに……」
「山、だな……」
「冗談じゃないぞ! 俺は逃げる!」
「別に本人いなくたって、机とかロッカーとかいろいろあるしなぁ。くくく……」
「レティ! おまえ! 他人事だと思ってっ!!」
「だあって他人事じゃん」
「いい度胸だな……表へ出ろ」
「うひょっ! 相手してくれんだ? ラッキー♪」
リィとレティ、退場。
「いいのか、あれ?」
「……まあ……ストレス解消くらいには……なるでしょうし……」
「だったらンな顔すんじゃねぇよ。せっかくの綺麗な顔が台無しだぜ?」
「はい。すみません、修行不足で……。――対策が必要な事も確かですね。わたしも失礼させていただきます」
シェラ退場。
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「あのう……ケリー?」
「どうした、ダイアン」
「あなたの奥様がね、チョコレートを作る! って宣言してキッチンに篭っているんだけど――」
「げ」
「食べられない材料は出してないの。ホントよ? でもなんだか……不可思議なものが出来上がりつつあるのよね……」
「…………」
「ジャスミンって、サバイバル料理は得意そうだけど、お菓子作りは苦手みたい?」
「…………俺は逃げる。探さないでくれ」
そして誰もいなくなった。