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元々おまけ用に書いてたんだけど、なんか……なんとなくなんかなので、こちらに突っ込んでみる。



 その翌日の話だ。
 庭で丹精した花を抱えてカリンを訪ねたラティーナは、ついさっきケリーが見舞いに訪れた、と聞いて目を丸くした。
「お戻りになったのですか?」
 大手門の門番の役立たずぶりを責めてもしかたあるまいが、いつの間に、である。
「それでは妃殿下もやっと安心出来ますわね。お元気でした?」
「お元気はお元気、でしたけれども……」
 寝台のカリンは憂い顔で、体調の良し悪しとは別に心安くもいられないらしい。
「どうなさいました、カリンさま」
 気遣わしげなラティーナに、カリンは深々と溜息を吐いて見せた。
「あの方が城内に居たのでは、女官が仕事になりません」
「どういう事です?」
「男振りが良すぎます。どうにかして気を惹こうと浮き足立つ様子が見えるようですよ」
「まあ、そんなに?」
 そもそもが美貌の少年である。どれだけいい男になっていようと驚愕には値しないとも言えるのだが、そこまでとなるとなかなかすごい。
「いい歳をしてと思われるでしょうが……わたくしも少々、胸が騒いだくらいです」
「……まあ」
 あけすけなカリンの台詞に言葉を失ったラティーナは、しばらく間をおいてからどうにかそれだけを口にした。
 国王の、ひいては王宮の母を任じるカリンにそこまで言わしめるとは。
 ほどなくして話題の人物と顔を会わせる機会を得た英雄の妻たちは、若い女官のように色めき立ちこそしなかったが、男性陣の心中は穏やかではなかったともいう。



「いい歳をして~胸が騒いだくらいです」はもともとアレクの台詞だったりする。
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